研究概要
About Us
本研究室が明らかにしようとしている問いは,「言語を理解するとはどういうことか」です.この問いに答えるためのアプローチとして,機械学習を用います.また,この問いに答えようとする取り組みを通して得られた知見が,どのように言語を扱う人工知能(AI)技術の発展に貢献できるかを考えます.
創発コミュニケーションに関する研究
機械学習を搭載した複数のエージェントが,相互作用を通してコミュニケーション手段をゼロから獲得していく過程を研究しています.例えば,コミュニケーションが報酬に結びつくまでに時間的な隔たりがある協調タスクにおいて,有用なコミュニケーション方策の獲得が起きる条件の分析や,その獲得を促進するような学習手法の研究に取り組んでいます.また,複数のシンボルをやり取りするシグナリングゲームという枠組みを用いて,創発したシグナルがどのような条件で人間の言語のように解釈しやすい構造を持つようになるのかを分析する研究も行っています.
社会的ジレンマのある環境における協調行動の創発に関する研究
個々のエージェントの利益と集団全体の利益が一致しない社会的ジレンマ環境において,どのように協調行動や規範が形成・定着するのかを研究しています.従来の研究では「繰り返し囚人のジレンマ」などの行列ゲームを用いた分析が中心でしたが,我々はより長いエピソードの中で行動の帰結が現れるようなマルコフ決定過程環境において,協調が促進される条件や,集団の学習が生み出すダイナミクスの解明を目指しています.
AIの内部機序解釈に関する研究
機械学習モデルがどのような内部メカニズムで意思決定を生み出しているのかを分析する手法の研究に取り組んでいます.また,エージェントの学習によって得られた方策モデルの内部機序を分析し,創発コミュニケーションや協調行動を支える仕組みを解明することを目指しています.